以下の文章は院長が宮崎市歯科推進協議会(宮崎市健康増進課主催)において、宮崎市内の幼稚園・保育園の保護者向けに書いた「園便り」に加筆したものです。むし歯予防の一助になれば幸いです。

 ・・・・目次・・・・
 ■仕上げ磨きをしていますか?
 ■飲み物のワナ
 ■唾液のパワー
 ■むし歯予防のお助けマン(フッ素)
 ■かかりつけの歯科医を持とう!



                       <随時更新>

お子さんがだんだん大きくなり自主性が出てくると、だんだんお母さんやお父さんによる仕上げ磨きを嫌がるようになります。しかし未就学のときはもちろん、小学校の低学年までは自分では十分に磨くことはできません。毎食後は無理としても、少なくとも就寝前の歯磨きは、お子さんが歯磨きした後、お母さんやお父さんが仕上げ磨きをしてあげて下さい。
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 ○○スエット等のスポーツドリンクは健康飲料というイメージがありますが、発熱やスポーツで脱水症状があるときの水分補給のための飲み物です。毎日飲むものではありません。日常的に飲ませているとジュースと同じで糖分が多く、むし歯の原因になります。習慣にならないように気をつけましょう。これは、乳酸菌飲料も同じです。乳酸菌飲料もおなかにはいいものかもしれませんが、むし歯予防の観点から見ると、酸であり、糖分が多く、べたべたして歯にくっつきやすいため、むし歯を作りやすい傾向があります。乳酸飲料を飲んだらすぐに歯みがきをして、長くお口の中にとどまらない様にしましょう。

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 私たちの口の中では、通常、健康な人で1〜1.5リットルもの唾液が1日に分泌されています。

 唾液には 酵素ででんぷんを分解する消化作用、
 味物質を溶解して味覚を促進させる溶解作用、
 食べ物のかすを洗い流す洗浄作用、
 咀嚼や嚥下、発音や会話をスムーズにする円滑作用、
 抗菌作用を持つ物質で病原微生物に抵抗する抗菌作用、
 歯の表面に皮膜を作りむし歯を防ぐ保護作用など
 いろいろな働きがあります。

 
 そしてもうひとつ、唾液には、むし歯菌が出す酸を唾液の作用で緩める働きがあります。
 これを緩衝作用
(かんしょうさよう)と言います。
 再石灰化(さいせっかいか)といって、軽度のむし歯の表面を修復させる働きもあります。
 これらの働きで私たちの歯はむし歯から守られているのです。
 食べ物をよくかむことで唾液の分泌は促進されます。
 よくかむことは顎の成長を促進するばかりか、唾液の分泌を高め、むし歯予防にもなるのです。
 よくかんで食べましょう。また、食事やおやつもやわらかいものばかり取らず、
 かみごたえのあるものを努めて取るようにしましょう。
 また水やお茶は食事の最後にとり、飲みものと一緒に、食事を丸呑みしないようにしましょう。


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むし歯予防のために歯みがきや正しい食生活が、大切なのは言うまでもありませんが、もうひとつむし歯予防に強力なお助けマンがいます。それが「フッ素」です。フッ素を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶(アパタイト)の一部になります。フッ素を含んだ歯の結晶は普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなります。ですからフッ素を適切に使うと、歯の表面が強くなり、むし歯になるのを防ぎます。
←写真:フッ素 (フッ化物)洗口剤

また、歯の周りにフッ素があると、一度、むし歯菌の出した酸によって唾液中に溶け出たカルシウムやリンが、もう一度歯に戻ること(再石灰化と言います)を促進し、歯の補修がしやすくなります。フッ素を利用する方法としては、年に34回、歯科医院で高濃度のフッ素を塗ってもらう方法と各御家庭で低濃度のフッ素を毎日利用する方法とがあります。この二つの方法を併用することがより高い効果をもたらします。低濃度のフッ素を利用する方法としては、フッ素入り歯みがき剤を使う。フッ素のジェルを塗る。フッ素洗口をするなどの方法があります。このうちでフッ素入り歯みがき剤を使うという方法は市販の歯みがき剤の80%以上にはすでにフッ素が入っていますので、知らず知らずのうちに実行されているかもしれません。しかし歯みがき剤はうがいで出してしまうので、歯磨きの後、フッ素のジェルを塗ったり、フッ素洗口を加えて行なうことで、より大きい効果が得られると言われています。フッ素のジェルやフッ素洗口剤は歯科医院で扱っています。 

 安全性に関してもフッ素は大変高い安全性を有しています。正しく使用すれば、御紹介したすべての方法を併用しても安全です。むし歯予防にフッ素を利用することは、世界保健機構(WHO)や国際歯科連盟(FDI)をはじめ,日本でも厚生労働省、文部省、日本歯科医師会など多くの団体が推奨する安全で効果の高い方法です。歯みがきや正しい食生活に加え、むし歯予防のお助けマン(フッ素)を利用して下さい。

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 皆さんは
 「歯医者さんにはむし歯ができないと行かない」
 「歯医者さんは怖い」 ・・・と思っていませんか?
 
 確かに歯医者さんに行くとむし歯の治療で「キーン」という音のするドリルで歯を削られ、嫌な思いをされた経験のある方も多いかと思います。しかし、最近はむし歯がなくても、歯医者さんに定期的に行く子供さんが増えてきました。これらの子供さんにとっては、歯医者さんは怖いところではありません。歯のお掃除をしてくれたり、歯ブラシの仕方を教えてくれたり、むし歯にならないように処置をしてくれる楽しいところです。最近の歯科医学は「むし歯を抜く、削る」から「なるべく抜かない、なるべく削らない」という方向にシフトしてきました。さらに「むし歯をつくらない」という予防に重点を置いた考え方になってきました。つまり歯科医院は「むし歯を治すところ」から「むし歯予防をするところ」に変わってきています。つまり歯科医院は定期的に検診をし、予防処置を行い、予防法をアドバイスし、不幸にしてむし歯ができてしまったら、小さなむし歯のうちに処置しておくところなのです。むし歯にはごく初期の小さなむし歯を除いて自然治癒はありません。つまり放っておけばおくほど、悪化し、治療に時間も費用もかかってしまいます。「乳歯はどうせ生え変わるから」と思っていませんか?乳歯のむし歯を放っておくと、必ず生えてきた永久歯にもむし歯が移ります。「幼稚園や保育所で歯科健診があるから大丈夫」と思っていませんか?乳歯や生えたての永久歯はたいへん柔らかく、数ヶ月で簡単に穴があいて、どんどん進んでしまいます。また集団健診は明るいライトの当たった歯科医院のチェアでやるわけではないので、大まかな検査です。これらの理由から
1年に1回の集団健診では不十分です。集団健診に加え、歯科医院で半年に一度は定期健診を受けましょう。

健康な歯は親御さんが子供さんに贈れる大きなプレゼントです。ぜひ、ご自分に合った「かかりつけ歯科医」を持っていただき、歯科医や歯科衛生士をむし歯予防のアドバイザーとして利用してください。

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